ゴキブログ一覧
2008 .7.31
ブラベルス フスカ 成虫までの日数
昨年末,フスカの初齢幼虫を別容器に移した.
目的は,いつごろ成虫になるか?
結果は先日♂1が成虫となった.
要した期間は,室温平均26℃で約7.5ヶ月.
意外と速い.
雌は未だ終齢であった.
大型の甲虫などは雌が先に成虫になり,♂とずれが生じ,交尾がうまくいかないが,
ゴキブリはその逆である.
2008 .7.30
グリーンバナナローチ 卵鞘
グリーンバナナローチ Panchlora nivea (Linnaeus)
が卵鞘を排出していた.
卵鞘を腹端に保持する種の,短い卵鞘を見慣れていたので,
はたして,こんな長い物が再び保育嚢に収納されるのか?
疑問に思い観察した.
腹面より.
目視にて確認できる卵数だけでも片面30個,
2列有るので60匹は産まれてくることになる.
約40分後.
その後なかなか卵鞘が入っていかず.丸1日たってもこの状態.(下)
完全に卵鞘が見えなくなったのを確認したのは,
観察を始めて約36時間後であった.
この状態を確認したのが朝7時頃のため,もう少し早く収納は終わっていたと思うが,
この個体の産卵は,実に30時間近く要していたと思われた.
しかし,一ヶ月後残念ながら死亡したため,実際の産仔数,抱卵日数は確認できなかった.
2008 .7.29
チャバネゴキブリの駆除
飼育ケージ内に管理されている個体は,駆除する必要はないだろう.
問題なのは,気が付かない間に侵入(脱走)し,人と同じ生活空間の中で,
肩を並べて生活をはじめる個体群がいると,やはり駆除対象となる.
野に放たれたチャバネはそこが温かく,潜み場所があり,
餌がそこそこ揃っていれば,繁殖を開始する.
当然ゴキブリを飼育する技があれば,駆除する技も無ければ片手落ちである.
ではどの様に駆除するか,最も効果的に行うのであれば,
当然,ゴキブリの住みにくい環境を造ることから始める.
整理,整頓,清掃.
これは餌を無くし,潜む場所を無くす最高の方法である.
そして,ローチトラップを室内均一に設置する.
2~3日後トラップを調べると,潜伏している場所近くのトラップは捕獲があるので,
その場所を詳しく調べる.
すると,クラックの中や,
見落としていたゴミなどが見つかる.
再度ゴミ等を処理し,そこに毒餌(ベイト剤)や,殺虫剤を,
用法用量に従い使用する.
ちゃんと行えば,減ると思うので,それを何度か繰り返す.
この様な処置を記録として残し,後の駆除の参考データとする.
チャバネゴキブリは,どこにでも生息しているゴキブリではあるが,
飼育していた個体が逃げた等,侵入した原因が必ずあるはずである.
「いつの間にかいた」と言う状況であれば,
知らぬうちに定期的な侵入経路を確保してしまっている可能性がある.
これを見つけないと,駆除,また侵入,駆除,またまた侵入,
と,いつまでたっても,完全駆除は難しい.
従って,逃がしてもいないのにチャバネが住み着いている場所(飲食関係)
の駆除は,非常に高いレベルの技術が必要とされる理由である.
2008 .7.28
チャバネゴキブリの捕獲
悲しいかな「嫌いな虫は?」と聞くとほとんどの人がゴキブリと答える.
そのゴキブリの中で最も生息数が多いと思われるのがこのチャバネゴキブリである.
全世界に分布し,日本でも北海道のかなり北の方まで分布を広げている.
しかし,一般人のゴキブリのイメージはクロゴキブリであろう.
どの道,ゴキブリマニアでも本種をペットとして飼おうという人は余りいない.
(飼育している人も知っているが,やはり多くない)
過去に一度某オークションで販売しているのを見かけた記憶があるが,
あれは売れたのだろうか.
しかし,入手するにはどうすればよいか?
クロゴキブリやワモンゴキブリは意外と外で捕獲できるはずである.
本種は屋外にはあまり生息していない.
私がPCOという職業でなかったら,意外と捕獲し難いゴキブリではないだろうか.
家業が飲食店関係であれば,捕獲するルートはあると思う.
そうでない人は,
1. 飲食店でバイトをする.
2. 研究機関で購入する.(結構なお値段らしい.その代わり系統がはっきりしている立派な家柄のチャバネが手に入る.)
3. PCOに就職する.
4. ・・
色々方法はあると思うので,ほしい人はがんばってみてください.
産地別飼育状況.
2008 .7.25
チャバネゴキブリ科の特徴その5
11.♂♀の肛上板は三角形で完全,突出するかまたは先端に凹みを生ずる.
尾肢(cercus)はこの肛上板の側方より生じる.
チャバネゴキブリ♂肛上板.
同じく♀肛上板.
12.♀の腹端の腹板(肛下板)は大きく,Anaplectinaeのものを除き先端の割れる事はない.
腹板はうまく撮れなかったので次回.
残念ながらAnaplectinae(チビゴキブリ亜科)の標本は無い為比較なし.
2008 .7.24
チャバネゴキブリ科の特徴その4
9. の腿節の下面には棘列があり,後腿節には強棘を列生する.
下はチャバネゴキブリの後腿節.
下面に棘が確認できる.
10.跗節には棘と明瞭な褥弁を有する.
この褥弁が発達していると,垂直面も登れるようになる.
飼育するにはケージ内の登攀防止処理が必要になってくる.
壁を登れないゴキブリとはこの部分が発達していない種をさす.
2008 .7.23
チャバネゴキブリ科の特徴その3
4. 後翅の外縁の中程には,三角形の翅脈を欠く部分が生ずる.(間挿三角部,intercalated triangle)場合がある.
5. 後翅のR脈は通常前方縁に平行した分岐を出す.
6. Cu脈は通常分岐する.
チャバネゴキブリの後翅である.
同定に使える説と,使えないとする説があるようである.
同一種で複数の個体を比較しないと何とも言えない.
2008 .7.22
チャバネゴキブリ科の特徴その2
4. 日本に分布する種はすべて♂♀有翅.
フタテンコバネゴキブリは一見すると無翅のようであるが,
ちゃんと短翅として存在する.
薄いひらひらとした翅ではなく,硬い皮状の翅である.
5. 翅は平滑,Sc脈は通常分岐しない.
写真はチャバネゴキブリの前翅.
矢印がSc脈.分岐していないのがわかる.
ゴキブリ類の翅は,進化の方向から考えると,退化に向かっているといわれる.
実際にチャバネゴキブリはこんな立派な翅があっても飛ぶ事は出来ない.
2008 .7.18
チャバネゴキブリ科の特徴その1
チャバネゴキブリ科 Family Blattellidae は,日本に生息するゴキブリの中で最大のFamilyである.
その数は2亜科10属30種に及び日本産ゴキブリ類全52種7亜種の約半数を占める.
チャバネゴキブリ科の特徴として以下のことが挙げられる.
(日本産ゴキブリ類 朝比奈正二郎 著 中山書店 1991年)参照
1.小型の淡褐色のゴキブリである.
日本産チャバネゴキブリ科の中で最も小型の種は,
クロモンチビゴキブリ Anaplecta japonica Asahina ♂体長6~7㎜
最大種はオオモリゴキブリ Symploce gigas gigas Asahina ♂20~21㎜
体色に関して,ほとんどの種は,ベースとなっている体色は淡褐色である.
しかし,キョウトゴキブリやフタテンコバネゴキブリなどは黒色が強い.
2.頭部はよく動き,上から見て前胸背板によって全く隠されることは無い.
3. 胸背は平滑,褐色紋を有する種もある.
褐色紋を有する種として代表的なのは,チャバネゴキブリであるが,
リュウキュウモリゴキブリのように紋とも斑ともとれるものも有る.
表面が平滑でない種といえば,オオゴキブリや,マダゴキなどが思いあたる.
左 リュウキュウモリゴキブリ 右 チャバネゴキブリ.
2008 .7.17
チャバネゴキブリ
チャバネゴキブリ科 Family Blattellidae
チャバネゴキブリ亜科 Subfamily Blattellinae
チャバネゴキブリ属 Genus Blattella Caudell
チャバネゴキブリ Blattella germanica(Linne)
ご存じの通り,チャバネゴキブリは世界的な害虫種である.
コンクリート建築物内に生息している昆虫の中で最も個体数が多い?
これに関してはまだ可能性のある種がいくつか存在する.
チカイエカ Culex pipiens pallens COQUILLETT
チョウバエ類.
しかし,いずれにせよ多いことには違いない.
2008 .7.16
小笠原 スコール
今回の航海は天候が不安定で,晴れていたかと思うと,
突然スコールがやってくる事が多かった.
すると,道路はこの状態である.
この後すぐに晴れ上がり,猛烈に暑くなるのである.
しかし,それがまた小笠原の良いところ?
気に入っているところでもある.
という事で,本航海の小笠原編はこれでおしまいである.
2008 .7.15
小笠原の生き物 夏編その9 悪顔オオヒキ
夜,羽アリの飛翔を見ようと亜熱帯農業センター前の外周道路で見つけた.
いまさらオオヒキガエルはパスしようと思ったが,
あまりの悪顔の個体がいた.
こちらが普通のオオヒキガエル.
そしてこちらが何とも目つきの悪いオオヒキガエル.
こんな顔の個体は見たことが無かった.
2008 .7.14
小笠原の生き物 夏編その8 アメヒト
夕日に輝くアメヒト.
三日月山遊歩道にて.
アメヒトとはアメリカシロヒトリのこと.
前回,母島での本種は紹介した.
桑の木を調べると結構ついている.
夕日が綺麗でアメヒトの長毛が金色に輝いていた.
2008 .7.11
小笠原の生き物 夏編 その7 ワモンゴキブリ
ワモンゴキブリの生息している場所は,内地でもここ小笠原でも,
マンホール内や排水マス内が多い.
屋外生息写真
飼育ケージ内の写真は沢山撮っているが,
自然生息のワイルド写真は逃げ足が速いので撮りづらい.
ちょっとうれしい写真である.
2008 .7.10
ホラアナゴキブリ幼虫
小笠原話2度目の休憩.
今年3月末に親を手に入れたのだが,
昨日子供を産んでいた.
と言うか,卵鞘で産むらしいので,孵化していたが正しいのだろう.
小さくて判らない.
シロワラジの方が何倍も大きい.
拡大.
親も親で非常に小さい.
体長5㎜内外.
2008 .7.9
小笠原の生物 夏編その6 イエシロアリ飛翔
沢山飛んでいるのでどの写真にも1,2匹の飛翔しているシロアリが写っている.
イエシロアリ飛翔
普通のデジカメで撮った割りには良く撮れたと思う.
2008 .7.8
小笠原の生物 夏編その5 羽アリを捕食する生き物
前知識として,TVとかでは,
羽アリが出るとオオヒキガエルが沢山出てきて,
貪り食うシーンがよく出る.
確かにどこから集まったのかと思うほどシロ壁下に集まってきていた.
しかし,もっと感動したのがヤモリが沢山壁に出てきて,
羽アリを食べている出はないか.
普段でも夜壁に付いてはいるのだが,
複数の個体が一枚の壁に出てくることはあまり見たことがない.
このときは一つの壁に5~10匹ほどが出てきて食べていた.
よく考えればヤモリだって沢山生息しているし,
昆虫食なのだから当たり前などだが.
ヒキガエルばかりが,クローズアップされている.
ヤモリは無視されていたのだろう.
2008 .7.7
小笠原の生物 夏編その4 羽アリ群飛の恐怖
このシーズンはイエシロアリの羽アリが群飛する時期である.
ヤマトシロアリの羽アリは昼(正午前)に飛び,
イエシロアリの羽アリは夜(夕方)飛ぶ.
小笠原父島は19:00頃から20:00の間で,それ以降は見ることが少ないらしい.
確かにこの日も19:00ぐらいから飛び始め,20:00には「あれ,どこいったの?」
てな感じでいなくなっていました.
毎年来る毎に,見たいと思っていたが,今年は少し見ることが出来た.
夜の外灯はなかなかうまく写らないが,外灯により少ない物と多い物があり面白い.
テレビとかで息も出来ないほど,群れ飛ぶシーンが放送されているが,
それの1/20ほどの発生だったと思う.
それでも少しは恐ろしさを体験できた.
何が恐ろしいか.
意外だったのは体にまとわりついて来ること.
暑いから半袖短パン姿でいたのだが,こんな感じで狙ったように付着してくる.
意外と不快であった.
2008 .7.3
小笠原の生き物 夏編その3 オガトカ
父島のオガトカ(オガサワラトカゲ).
グリーンアノールと違い,父島ではあまり見ることが出来ないでいたが,
やっと写真に収めることが出来た.
この写真でどこだか判る人は,たぶん島の住人でも余りいないであろう.
本種は通常2個の卵を産み,それぞれが付着していることが多い.
孵化まで約45日.
今回の渡島では結構あちらこちらで見ることが出来た.
増えてきたのであろうか?
本種は透明なまぶたが閉じた状態で固定されており,
ヘビのようにいつでも眼を明けているように見えるのが特徴らしい.
2008 .7.2
小笠原の生き物 夏編 その2 アノール交尾
アノール交尾.
今回は狭いエリアで2ペアの交尾をほぼ同時に見た.
2ペアとも写真をバシバシ撮っていたら,照れくさいのか,
途中で逃走してしまった.
しかし,雄は腰が落ち着かない様子で木を登っていった.
不思議なことに両ペアとも雄は緑,雌は茶色の体色をしていた.
2008 .7.1
小笠原の生き物 夏編 その1 オガサワラゴキブリ
再び仕事で小笠原に行ってきた.
毎度お馴染みの生き物たちがお出迎えして頂いたが,
いくつか面白いものが観察できたので,ご紹介したい.
いつものように土を掘っていると,綺麗なゴキブリを見つけた.
オガサワラゴキブリ脱皮直後.
すばらしいの一言に尽きる.